「金剛蔵王大権現」との縁(えにし)
昭和五十三年頃、開山主・恵晃師が善導院の前身である祈祷所を函館市杉並町にて開院していました時「霊夢」にて、自身の知る由のない何処かの神仏の、御(お)御足(みあし)の下で「観世音菩薩普門品 第二十五」という御経をあげている院主秀晃の姿を見たのです。その神仏の事を知らねばならぬという「縁」を感じ、法友を尋ね歩き半年ほど経過しました時に吉野山、金峯山修験本宗の「金剛蔵王大権現」だと知り、直ちに吉野山へ赴き、御姿を初めて拝しました。強烈な熱波の感覚をこの頭額に享け金剛蔵王大権現を感得したと同時に、前世の縁においてその時代に拝尊していたと知りました。又、御尊顔の額には三目すなわち天を見通す目、天眼通があります。蔵王権現は今より千三百年前、宗祖弘法大師が思慕された修験道の開祖、役行者神変大菩薩が一千日間の断食等の荒行により衆生救済の神仏として感得された大忿怒尊であり、自らの手で桜の御神木にその権現像を彫り祈念しました。人間の過去世における罪を粉砕し、「一切不問・諸悪・即絶」として許し「恕(じょ)」の御心をもって今世において、これにより一層願いが叶えられやすくなるとの霊示を賜りました。惟うに「縁」とは誠に不思議であり斯くも有難き事と感ぜざるを得ず、平成二十四年三月四日、この福徳を「法物」として有縁の方々へお授けする「金剛蔵王大権現・開眼結縁法要」を執り行いました。